タウリンの効果。過去に見つけたネタをバラバラにメモっていたのをまとめておく。
タウリンとは、一言で言うと。
タウリンは分子量124の含硫アミノ酸。タンパク質の構成成分にはならないが、細胞内の遊離アミノ酸としてはグルタミンと並んでもっとも高濃度に存在し、かつグルタミンに類似する成分。またタウリンは脳内のアミノ酸の中では2番目に多く存在する。
タウリンは疲れが溜まっていると多く消費される、年齢を重ねると減少、男性より女性が不足しがち、とも言われている。
タウリンの効果としてはアセトアルデヒトの代謝促進による肝機能サポートがよく知られているが、記憶力や認知能力の改善、目の網膜の保護、便通の改善等、意外な効能もある様子。
そんなタウリンの効果について、とりあえず箇条書きで。
- 神経伝達、海馬の増強や安定化をサポート。
- 記憶力に関与するグリア細胞の活性化を促進する。(注1)
- アルコールや有害物質から発生するアセトアルデヒトの代謝を促進する。
- 心筋を強くして疲労回復を促す。(ただし即効性はないらしい?)
- 心臓のポンプ作用を高めて筋肉により多くの血液を送り込み、持久力を高める。(ドイツの研究より)
- 細胞のミトコンドリアの数を増やす(ミトコンドリアのタンパク質合成に必須)(注2)
- 目の網膜や角膜を保護する。
- 腸管の抗炎症作用
- 血圧や血糖値のバランスをサポート。
- 肝臓・心臓の機能強化
- 胆汁を生成し、コレステロールや中性脂肪の代謝をコントロール
- インスリン分泌促進
- 便の水分を増やし、便秘を改善する。
- ニューロンのカリウム除去をサポートし、ニューロンが過度に活発化することを防ぐ。
- タウリンはレシチンと併用することで細胞の細胞膜を丈夫にし、細胞が正常な形状を保つようにサポートをする。
- 髪の毛の成長にも不可欠なタンパク質IGF-1(インスリン様成長因子)を増やす
(注1) 記憶を司ると言われる海馬にはグリア細胞が多く存在する。
また以下のように認知機能の改善を示す研究がある。
迷路試験(Y-maze test)と受動的回避試験(passive avoidance test)で、タウリンを摂取したマウスの認知機能が正常な状態に回復することが確認された。さらに、アルツハイマー病の症状である大脳皮質の炎症が抑えられたほか、脳の海馬から分泌されるアミロイドベータの量も減り、記憶力に深く関与するグリア細胞の活性化が促進されることが確認された。
注目すべき特徴は、タウリンの脳機能改善効果がアルツハイマー病において選択的に表れるということだ。従来の治療薬物が正常のマウスでは脳機能の異常を来たしたのに対し、タウリンは正常のマウスで脳機能の異常を来たすことはなかった。タウリンの持つもう一つの特性は、タウリンが脳の血管壁を透過しやすいため、口から摂取しても脳にうまく吸収されることだ。別途の複雑な投与過程を経る必要がなく、飲料水などの食物からタウリンを摂っても効果が高い。
(注2) 「ただしタウリンが細胞内のエネルギー生産組織であるミトコンドリアの数を増やすのは、タウリン サプリを継続的に数か月~半年ほど摂取した場合に限られます。」(参照リンクは消滅)
タウリンを多く含む食材
- 貝・甲殻類(サザエ、牡蠣、帆立、蛤、あさり、しじみ、タコ、イカ、カニ等)
- ブリやカツオの血合い
- 鯵や鯖などの近海魚
タウリンを多く含む食材としてはタコ・イカのイメージが強かったのだが、ダントツで多いのは牡蠣だった。100g中1180mg。サザエの方が100g1500mgで含有量としては多いが、摂取量・摂取回数は一般的に考えて少ない。
余談だが牡蠣は亜鉛も多く含んでいて、その亜鉛はグルタミン酸興奮毒性(神経細胞死の一因)から脳を守る機能を果たす。また、記憶を司る海馬には最高濃度の亜鉛が存在する。脳の海馬をサポートするタウリンと亜鉛を両方含む牡蠣は、最強ブレインフードだった!
タウリン摂取時の注意
- 食間・空腹時の摂取が有効。
- アスピリンと併用しないこと。(薬理作用を増強させてしまうため余計な負担がかかる。バファリンは原材料としてアスピリンを含む)
…と、万能選手的なタウリンではあるが、日本国内ではタウリン単体のサプリメントは販売されていない。このためタウリンのサプリはiHerbで時々購入しているが、在庫切れのことが多く割と入手困難ではある。日本の薬事法に規制があって、一回で購入可能な量・個数が制限されているから、まとめ買いもできないのだ。(おそらく鷲のマークの製薬会社の圧力)
iHerb独自ブランドのタウリンサプリが安価で嬉しいけど、数ヶ月前から在庫切れ状態が続いている。しょうがないから、今日別の高いやつをポチってしまった。